三洋電機洲本vs奈良クラブ:観戦レポート

関西サッカーリーグ後期開幕

 関西サッカーリーグ第8節。8チームで行われる関西サッカーリーグはこの日から後期戦へと突入した。関西サッカーリーグは前期を終えて昨年覇者の三洋電機洲本が断トツの首位に立っている。その下にアイン食品阪南大クラブ奈良クラブ、AS.ラランジャ京都、バンディオンセ加古川と続いておりその混戦振りがうかがえる。JFL参入チームを決める「地域リーグ決勝大会」に出場できるのは今年から優勝チームのみ。自らの優勝を勝ち取るにはまず三洋電機洲本を止めなければ話は進まない。『打倒三洋洲本』が関西上位チームの合言葉。後期戦でその刺客第一号となったのが奈良クラブだ。

 後期開幕の場所に選ばれたのはヴィッセル神戸もホームスタジアムとして使用する神戸ユニバー記念公園陸上競技場。舞台としては最高だったが天候がやや恵まれなかった。雨こそ降らなかったもののピッチは水含みで上空には霧が立ち込めていた。

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最初のチャンスで奈良クラブが先制

 最初にペースを掴んだのは奈良クラブだった。サイドから積極的にクロスを配給した奈良クラブは最初のチャンスをものにする。

 奈良クラブは11分に中央でボールを受けた三本菅崇が左サイドへ開いて素早くクロスを配給する。狙った先はファーサイドで構えていた嶋将平だ。嶋将平はフリーで飛び上がると頭でそれを丁寧にゴールへ流し込んだ。ファーサイドを徹底的に狙った奈良クラブはそのあとも畳み掛けるようにチャンスを作り続ける。2回の絶好機を迎えるが追加点を奪うには至らなかった。この流れで決めきれなかったことが後に大きく響くことになる。

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巧者三洋電気洲本がワンチャンスで同点に

 奈良クラブが追加点を狙う流れになっている中で、三洋電機洲本がカウンターから得点を奪う。三洋電気洲本は39分に村上歩夢が自陣の高い位置でボールを受けるとそのまま敵陣まで持ち込む。村上は敵陣に入ったところで右サイドから中央に切り込むと右サイド前方へパスを送った。前方で走っていた森川祐輝はこれを拾うとDFを振り切ってGKをよく見てボールをゴールへ流し込んだ。ひとつのチャンスをものにできるあたりが昨年王者であり首位をひた走る三洋電機洲本の強みなのだろう。三洋電機洲本が同点に追いついた。

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 しばらく軽い打ち合い状態になった。しかし間もなくして試合はこう着状態へと移行する。奈良は三洋電機洲本のターゲットとなるトップの選手を警戒した。三洋電機洲本は奈良クラブのファーサイドにマーカーを欠かさなかった。互いが互いの長所を消しあったまま濃厚な前半を終えた。

攻め続けた後半戦

 後半は互いの長所を消しての探り合いを続ける。序盤に有効だった攻撃の手段を封じられた両者が次にどのような手を見せるのだろうか。

 奈良クラブはカウンターから嶋将平や途中出場の松野正義をターゲットに速攻を見せる。後半26分のチャンスではシュートが枠を僅かに外れ、後半30分のチャンスではバーに嫌われた。また、前半に見せたクロスからの得点も隙あらば狙う姿勢を見せるなど最後まで積極的な攻撃の姿勢を見せた。

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 三洋電機洲本は前線のキープ力を生かしてチャンスを作り続けた。27分には中尾秀樹がPA内左サイドでボールをキープすると後方から走りこんできた井上裕介にマイナスのクロスを配給する。井上裕介はそのままドリブルでの中央突破を図ったがあと一歩のところで守備陣に阻まれてしまった。

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 攻撃対攻撃。最後まで勝ちにこだわった両者だったが、後半はノーゴールに終わった。試合は1?1で引き分けとなった。

奈良クラブ、大きな引き分けから確かな前進

 逆転優勝を狙いたい奈良クラブは痛い引き分けとなってしまった。奈良から駆けつけたサポーターは最後まで戦い抜いたチームに精一杯のコールを送った。奈良クラブが焦ることは無い。Jリーグを目指すクラブチームといえば駆け足で勝ち上がりがちだが奈良クラブはそうではないからだ。聞けば着実に奈良県内での認知度を高めており、行政や地元企業の理解を少しずつ獲得しているという。若い人はみんな大阪に行ってしまって何も無い。だからこそ地元の誇りとして存在したいという。

 関西サッカーリーグは1部と2部の力の差が非常に激しい。たとえば昨年は滋賀FCが圧倒的な力で2部を勝ち抜いて1部に昇格したが、1年で降格してしまった。1部はたかが8チームのリーグだが昇格したてのチームが上位に食い込むというのは非常に難しいのだ。首位のチームと引き分けた。まず関西サッカーリーグでは1部定着といきたい。

 都市のチームのような爆発的なブレイクは無いが奈良クラブは一歩ずつ階段を上っている。

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