藤枝MYFCvsグルージャ盛岡:観戦レポート

藤枝総合運動公園サッカー場。小高い丘を単純に切りくずして作られたサッカー専用スタジアムにやってきた。サッカーどころ静岡県の中でもサッカーが盛んな都市、藤枝市。藤枝に日本で最も過酷な全国大会がやってきた。

photo:01

藤枝会場で行われるのはBグループ。藤枝MYFCグルージャ盛岡、三洋電機洲本、札大GPの4チームで構成される。初日の第1試合はBグループ突破の有力候補である藤枝MYFCグルージャ盛岡がいきなり激突。静岡FC時代を含んでしまえば地域決勝常連であるShizuoka.藤枝MYFCと、こちらも常連のグルージャ盛岡。先に地域リーグを卒業するのはどちらのチームか。

押せ押せ!藤枝MYFC

初戦独特の硬さや或いは緩みが見られると思ったが、両チーム共に経験値が違った。すんなりと試合にのめり込むと、自分たちのサッカーを披露した。
先にペースを掴んだのは藤枝MYFC。個人技を織り交ぜながら中盤で丁寧につなぐ、静岡県特有のパスサッカーでグルージャ盛岡のゴールへと進む。ところがグルージャ盛岡の守備が安定しており、流れの中からはなかなか決定機を作れない。セットプレーからのチャンスメイクが続いた。
34分、藤枝MYFCは右サイド後方のFKを得ると、ゴール前へ放り込む。このボールを受けた33須藤大輔が反転してシュートを放ったが、シュートは守備陣にブロックされる。こぼれ球を3人が詰めたが、GK島津がきちんと拾い上げた。

photo:02

グルージャ盛岡、押されながらも鋭いカウンター

グルージャ盛岡は相手に主導権を握らせながらも、決して焦ることはなかった。守備では緩急をつけたプレスで藤枝MYFCにほとんどチャンスを作らせない。攻撃では主に左サイドを用いて、外からオーバーラップを仕掛けては決定機を作り続けた。
21分には左サイドで14金子恵から16疋田大和へ縦にボールを繋いで一気にペナルティエリア内に侵入。疋田は勢いをそのままにマイナスのパスを配給したが、守備に弾かれてしまった。

photo:03

前半は両者得点なく終えた。無得点で終えた両者だったが、慎重な試合運びながら得点の臭いを残したままピッチを後にした。

砕かれた均衡・・藤枝MYFCに退場者

後半に入っても引き続き藤枝MYFCが主導権を握る。藤枝MYFCの選手はやはり別格だったらしく、16サントス・アランや11西山貴永ら前線のタレントによるドリブルはグルージャ盛岡にとって非常に厄介だった様子だった。グルージャ盛岡が主導権を握るのはいつになるのやら。
ところで、この試合は最終的に8枚の警告が掲示された。そのうち7枚が藤枝MYFCに与えられている。これは決して判定が偏っていたわけでなく、単純に藤枝MYFCがラフなプレーを繰り返していた結果だ。ラフプレーでも悪質なものはなく、真剣にプレーをした結果なのでそれを単純に責めるわけにはいかない。より激しい世界を知っている選手は下部リーグのレベルに適応できずに、判定で不利を被るという副作用があるらしい。
藤枝MYFCはその副作用を発症してしまう。後半5分に8納谷脇成が2枚目の警告を受けて退場してしまう。藤枝MYFCはこのまま押し切ってしまえばいずれ得点は生まれたであろう。これを境に藤枝MYFCは主導権を手放す事になる。

photo:04

ようやく迎えた盛岡タイム

棚からぼた餅の如く落ちてきた主導権を拾ったグルージャ盛岡。守備に余裕ができた故に攻撃にも余裕ができた。グルージャ盛岡はオーバーラップを織り交ぜながら縦にボールを動かして藤枝MYFCのゴールに迫る。
後半12分にはカウンターから右サイドを突破した8松田賢太が、ゴール前で中央を経由して逆サイドへとボールを送る。送られた先にいたのは13加藤浩史。フリーでそれを受けた加藤は落ち着いて右足を振り抜いた。一点もののビッグチャンス。ところが立ちはだかる藤枝MYFCのGK豊瀬は放たれたシュートを枠外へと軌道変更した。

photo:05

2度目の正直!加藤のゴールで盛岡が先制

そしてついにスコアが動いた。後半22分、グルージャ盛岡はCKから一度跳ね返されたボールを14金子恵が左サイド後方で拾う。金子はすぐさま最終ライン裏中央右寄りのスペースへとパスを配給した。このスルーパスを受けたのは13加藤浩史。加藤はそのまま最終ラインを抜け出してGKとの一対一を迎えると、ボールを丁寧に流し込んだ。

photo:06

事実上の決勝戦となっていた一戦はグルージャ盛岡が先制した。余裕を得たグルージャ盛岡は丁寧にボールを繋いで残り時間をやり過ごそうとする。ビハインドにも関わらず一行に攻め手に転じようとしなかった藤枝MYFCの態度にも甘えていた。これまできちんと防いできた藤枝MYFCの攻撃さえ凌ぎきってしまえば。勝利は目前だ。

前線を厚くした藤枝MYFCがようやく攻勢に

ビハインドを負った藤枝MYFCはなかなか攻め手に転じなかった。守備組織を崩そうとは頑なにしない。後半31分にMF5吉田康弘に変えてFW21先原聖二を投入するなどメンバーを入れ替える事でようやく攻めの形を改めて作れるようになってきた。
後半31分、藤枝MYFCは右サイドのCKから16サントス・アランがゴール正面で強烈なシュートを放つ。これは枠の外へ外れてしまったが、藤枝MYFCの勢いが増してくるのが分かった。

photo:07

そしてドラマはロスタイムに起こった。グルージャ盛岡はあと数分を守りきれば勝利だったのだが、ここにきて集中力を欠くようになる。パスがぶれたりクリアが中途半端になったりと、甘さを見せるようになる。そうしているうちに、クリアミスから相手にCKを与えてしまう。
CKを得た藤枝MYFC。一人退場して少なくなっていても、セットプレーならば人数は関係ない。中央へ放り込まれたボールはゴール正面で16サントス・アランの頭を捉える。アランの頭を経由したボールはゴールへと吸い込まれた。

photo:08

同点ゴールでスタジアムが沸騰した。忘れかけていたが、ここは藤枝。地元のチームの大一番とあって詰めかけた2400人余りは当然ながら藤枝の応援をしていた。ゴール裏のコアサポーターは量ゴール裏変わらない数だったので気にしていなかったが、ここで一気にスタジアムは名実共に藤枝MYFCのホームとなった。
会場のボルテージは最高になったところで後半終了。藤枝MYFCとしては、いいところで横槍を入れられた形になってしまったが、グルージャ盛岡にとってはさしずめ助かったといったところだろう。藤枝MYFCがホームスタジアムを取り込んだ時の勢いは非常に迫力があった。

島津連続セーブでグルージャ盛岡がPK戦勝利

試合はPK戦に突入。ホームの雰囲気を身にまとった藤枝MYFCがPK戦ですら勢いに乗ってしまう。藤枝MYFCは先攻の1本目を2斎藤俊秀がきちんと決めると、1本目後攻のキッカー8松田賢太が蹴ったシュートは藤枝MYFCのGK豊瀬が落ち着いてキャッチした。藤枝MYFCが同点の勢いをそのままPK戦に持ち込んだ。

photo:09

ところが会場の空気に動じない男がいた。それはグルージャ盛岡のGK島津虎史。GK島津は藤枝MYFCの2本目のシュートを止めると、3本目のシュートをも弾き出した。2本連続でPKを止めて流れを完全に覆す。3本目を終えてグルージャ盛岡が2ー1でリード。

photo:10
photo:11

PK戦の4本目と5本目は両者キッカーがきっちりと決めて試合終了。グルージャ盛岡は苦しみながらも、グループ最大のライバルとの直接対決を制した。

photo:12
関連ニュース
関連試合
関連レポート

検索

Twitter

Facebook