HOYO大分 vs 栃木ウーヴァFC:観戦レポート

大分駅に着いた時点でキックオフ30分前だった。適度なバスが無かったので、仕方がなくタクシーで大分市営陸上競技場へ向かうことに。「陸上競技場まで。」「何かあるの?マラソンだっけ?」「サッカーです。JFLの試合。」「あー、だったらあっちだね、トリニータがやってるとこでしょ。」右にウインカーを出したところで、Uターンは何とか阻止した。

日本フットボールリーグ。HOYO大分栃木ウーヴァFC大分市営陸上競技場で対戦した。雨が降ったり止んだりする気候で寒くなりそうだが、そこはさすが九州というべきか、そこまで冷え込むことはなかった。
写真は準備中です。写真の掲載が完了次第、この文言を取り下げます。

動き少なく攻めきれず

試合は立ち上がりからせわしなくボールが運ばれた。ボールを奪うと互いにショートカウンターの如くせっせと前へボールを運ぶ。近い順位同士の対戦とあり、主導権を握りたい気持ちが強く表れていた。しかしながら両者とも守備では冷静であり、的確に決定的な場面を防ぎ続けた。

前半5分、栃木ウーヴァFCは遠目からMF10濱岡和久がシュートを狙ったが、GKの正面を捉える。

前半13分、HOYO大分は右から繋いで、最後はFW11中嶋雄大がペナルティエリア内でシュートを放ったが、巻き込んでしまって左に外れる。

前半17分、HOYO大分は右コーナーキックから最後はDF14田中淳也が頭で合わせたが、シュートは枠外となった。

前半31分、栃木ウーヴァFCは右から繋いでペナルティエリアに侵入し、シュートのこぼれ球を最後はFW11市川稔が詰めようとしたが、防がれる。

手が合わないというのはあったかもしれない。それにしても両者とも焦って不意にしてしまう。攻め急ぎすぎているのがよく伝わってきた。どちらかと言えば栃木ウーヴァFCの方が全体的に丁寧なのでゴールに近かったかもしれないが・・。

緊迫

後半に入っても状況は変わらない。栃木ウーヴァFC押し気味の様子がより濃くなった程度だ。HOYO大分は後半ファーストプレーでシュートまで持ち込む機会を得たが、その後は栃木ウーヴァFCが多くの攻撃の機会を作った。

後半4分、栃木ウーヴァFCはカウンターから最終ライン裏を突いたFW19森本恭介がすぐさまシュートを放ったが、左に外れる。

後半20分、栃木ウーヴァFCは左CKから上げたボールをDF33宮城雅史が頭で合わせたが、シュートは枠外となった。

後半21分、栃木ウーヴァFCはショートカウンターからFW11市川稔が抜け出してシュートしたが、これも枠外となる。

押し切った栃木ウーヴァFC

攻勢に出る栃木ウーヴァFCに、対するHOYO大分も幾度か攻撃の機会を得ていたが、シュートの場面を作れない。こう攻めきれない展開が続くとHOYO大分に流れが傾きそうなものだ。スコアレスで終わるとも考えられず、会場には緊張感が漂った。

この難しい空気を制したのは攻めていた栃木ウーヴァFCだった。後半34分、栃木ウーヴァFCはカウンターから右サイドでフリーになっていたMF2岩城正明へボールを送り込む。この試合何度かあったカウンターの形だ。栃木ウーヴァFCはMF2岩城正明が放ったシュートのこぼれ球をFW11市川稔が詰めて先制点とした。この場面、栃木ウーヴァFCはこの試合で初めて厚みのある攻撃を見せた。それまでシュートさえ凌いでおけばよかったHOYO大分の守備陣も、急な出来事に対処しきれなかったのだろう。

これぞ栃木ウーヴァFC

試合は栃木ウーヴァFCが後半にあげた1点を守り切って勝利した。振り返ってみれば、攻撃こそ単調ではあったが、ボールを奪われてから守備を形成するまでの切り替えが非常によく、HOYO大分に一切の決定機を与えていなかった。決して上手ではないが、粘り強く攻め続けて勝利を掴むその姿は栃木ウーヴァFCならではだ。

暖かな雰囲気で

今回、HOYO大分のホームゲームを初めて訪れてみたわけだが、私自身の到着が遅く、撤収も早めだったため、試合前後の楽しみというのは殆ど無かった。しかしそのなかでも、チアの女の子達が自発的に「HOYOがんばれ」と声を出して一生懸命応援する姿が見られるなど、JFLらしい暖かい雰囲気を感じることができた。

HOYO大分はチーム名を変えてより市民の方向を向いたチームになろうとするなど、変化を試みている。しかしその方向性とは裏腹に(今回は天候のせいもあるかもしれないが)、観客数は残念なことになってしまった。大分には大分トリニータがあり、バスケの大分ヒートデビルズがあり、フットサルのバサジィ大分がありと、プロスポーツチームは充実している。そこに割って入って棲み分けするのはなかなか難しいミッションに違いない。

変わるというのは大きなエネルギーを必要とするものだ。しかしHOYO大分の試合の暖かい雰囲気を感じるに、その種はきちんと植えられている。果たしてこの種を腐らせず芽吹かせられるか。今後の動きに注目したい。

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