AIR BORNE vs 海上自衛隊厚木基地マーカス:観戦レポート

3位決定戦に続き、全国自衛隊サッカー大会の決勝戦が味の素フィールド西が丘で行われた。決勝戦は海上自衛隊厚木基地マーカスとAIR BORNEが対戦した。海上自衛隊厚木基地マーカスは長く絶対王者の座に君臨していたが、ここ数年(ここ数年しか見てないのだが)はライバルチームの躍進で絶対王者というには苦戦が続いていた。今回大会はついにシード権がなく、チャレンジャーとして挑むことになった。ライバルである海上自衛隊厚木基地なかよしFCや海上自衛隊下総・館山航空基地などを下し、ついに決勝の舞台へ帰ってきた。

AIR BORNEは陸上自衛隊習志野駐屯地のサッカーチーム。自衛隊の仕組みをきちんと理解していないのだが、自衛隊としてはエリートなメンバーが多いらしい。習志野市(と船橋市)に住み習志野市の大学に通っていた身としては馴染み深い。この大きな舞台に習志野の文字が並ぶのは何とも嬉しいことだ。このハレの舞台に駆けつけた習志野駐屯地の関係者は結構多かったらしく、おそらく4チームの中で一番声援が送られていた気がする。
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海上自衛隊厚木基地マーカスの「先手必勝」

試合前のアップや円陣からして気合十分で試合に入ったAIR BORNEだったが、いきなりその出鼻をくじかれる。前半1分、海上自衛隊厚木基地マーカスは左サイドのFKから上げたボールのこぼれ球をMF14大楠恭平が強引にシュートする。シュートはGKの正面をとらえたように見えたが、直前のバウンドが厄介だったのか取りこぼしてしまい、そのままゴールへと転がり込んだ。実質的な挑戦者の立場にあるAIR BORNEは絶対に与えてはならなかった先制点を早々と与えてしまった。
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AIR BORNEとして強大な敵を相手に先手を取られたのはかなり堪えたらしい。数秒前までの気合は一気に沈静化し、サッカー選手としておそらく慣れていないだろう大舞台に飲み込まれたように見えた。空回りするAIR BORNEを前に海上自衛隊厚木基地マーカスは一切手を抜かない。シュート練習が如くにAIR BORNEのゴールへと迫った。

前半24分、海上自衛隊厚木基地マーカスはFW18上野彰大が中央右寄りで得たフリーキックを直接叩き込んで2点目を得る。
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前半28分、海上自衛隊厚木基地マーカスは2点目と同じような位置で得たフリーキックからDF4大山徹がフォアサイドで合わせたがAIR BORNEの選手にライン際で弾かれた。
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前半31分、海上自衛隊厚木基地マーカスはMF14大楠恭平がGKとの一対一を迎えたが、シュートは右に外れる。
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「習志野元気だして行こう」

下馬評を絵に描いたような海上自衛隊厚木基地マーカスのワンサイドゲームとなってしまった。AIR BORNEは決勝という舞台に、海上自衛隊厚木基地マーカスの圧倒的な実力にのまれてしまったのか、丸で良さが出せないまま時間を費やしてしまう。

前半18分、習志野は右サイドからのクロスがGKを超えたが、マークがきつくてシュートに繋げられない。そのこぼれ球こそシュートしてみせたが、DFに防がれてしまった。決勝というにはあまりにも残酷すぎる圧倒的な差がある。しかしスタンドからは「習志野元気だして行こう」「習志野諦めるな」という激が響き、AIR BORNEの選手らを奮起させた。

後半に入っても海上自衛隊厚木基地マーカスの勢いが止まらない。後半7分、海上自衛隊厚木基地マーカスの MF23安沢悠が左サイドを高速で駆け上がり、勢いそのままにシュートを放ったが、左に外れる。
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後半16分、海上自衛隊厚木基地マーカスは左サイドで得たフリーキックをDF2濱元諒一が合わせて3点目とする。後半27分にもFW18上野彰大の得点で4点目を奪って試合を決定づけた。
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そう、この試合が見たかった

試合後の閉会式で日本代表強化担当の原博実氏は「日本サッカーが忘れていたもの」として各チームの諦めない姿勢をJリーグと比較して賛辞した。そう、この舞台の観戦を楽しみにしている私達は(少なくとも私は)Jリーグではなかなか目撃できない最後まで戦いぬく姿勢と、これ以上にないフェアプレー精神を期待して訪れている。4-0と一見したら圧倒的な力の差を目の当たりにしただけの試合だ。しかしその背景には決して腐ることなく、最後の最後まで攻勢を見せるAIR BORNEの諦めない姿勢と、決して手を抜くことなく、時間稼ぎをすることなく、闘いぬいた海上自衛隊厚木基地マーカスのリスペクト精神とフェアプレー精神が描かれている。

後半13分、AIR BORNEは左サイドを縦にボールを運び、最後はFW19新垣剣士がシュートを放ったが、クロスバーを超える。記録に残ることのないプレーに私達は興奮し、思わず声を漏らした。
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AIR BORNEは結局1点をもぎ取ることなく試合終了を迎える。しかしその裏には海上自衛隊厚木基地マーカスの徹底した守備意識があった。挑戦者として挑んだ今回大会にかける気合はこの決勝の舞台で十分に表現されていた。勝って当然の状況で勝ち続けるのはかなり難しいことらしい。そんな状況でも海上自衛隊厚木基地マーカスは絶対的な強さを示し、本大会の絶対的な優勝候補としてその役割を果たした。今年は決勝戦のみの観戦となり、過程を見届けられなかったのは少しばかりの心残りだが、来年も日本が平和で本大会が開催されたらその機会に。

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