FC大阪vsクラブ・ドラゴンズ:観戦レポート

全国地域サッカーリーグ決勝大会第3日目。2年ぶりの地域決勝観戦となった。第1試合は関西リーグ1部2位のFC大阪と、関東リーグ2部のクラブ・ドラゴンズが対戦した。この時点でFC大阪は勝点4の2位、クラブ・ドラゴンズは勝点2の3位に付けている。クラブ・ドラゴンズは90分勝ちなら自動昇格圏の2位を逆転で勝ち取ることができ、FC大阪はそれ以外の結果で2位が確定する。FC大阪は90分で負けなければという条件ではあったが、優勝の可能性も残しているのでむしろまず間違いなく勝ちにくるだろう。

天気は晴れ。市原臨海といえば強風がつきものだが、この日は珍しく穏やかな風に包まれていた。地域決勝といえば身を震わせて見るものだという刷り込みがあったから真冬の装備で出かけたが、少々大げさだったもしれない。

IMG_2358.JPG

絶対に勝たなければ試合で慎重に

3連戦の3試合目。しかも2位を決める非常に重要な試合ということで、立ち上がりから慎重にボールが運ばれる。主導権を握っていたのはクラブ・ドラゴンズクラブ・ドラゴンズは最終ラインでゆったりとボールを回し、機を見てサイドから、中央から、ススっと縦へ素早くボールを運ぶ。その攻撃はFC大阪の深く引いた守備陣がしっかりと受け止めたが、その鋭さと怖さはJFLの一歩手前へきているのを納得するのに十分だ。

IMG_2360.JPG

クラブ・ドラゴンズは主導権を握りつつも前半4分にゴール正面で直接FKを得た程度で、決定機をなかなか作れない。一方で牽制を凌いだFC大阪が徐々に攻撃を仕掛け始める。FC大阪は守備陣形を整えつつ、FW9塚田卓やFW11川西誠が左右両サイドからドリブルで仕掛ける。この攻撃がじわじわとクラブ・ドラゴンズを追い詰めた。

前半14分、FC大阪はカウンターからコーナーキックを得ると、そのコーナーキックのこぼれ玉をMF17高橋周也が右から改めて放り込み、遠いサイドでDF13岩本知幸が頭で合わせて先制点を奪った。実力者揃えるFC大阪と、若手揃いのクラブ・ドラゴンズ。非常に大事な試合にしてチャンスをものにしてみせたFC大阪のそれは、大人のチカラをまざまざと見せつけた形の得点だった。
IMG_2384.JPG
この均衡した状態でスコアを動かしたのは非常に大きい。ところがこれでFC大阪が優位に試合を運べるのだろうと思ったのは非常に甘かった。FC大阪の選手もそうだったかは分からないが、正しく「ふ」とした瞬間にヤラレてしまうのがこの大会の怖さだ。

前半19分、クラブ・ドラゴンズはMF7西槇翼が敵陣ペナルティエリア手前の高い位置でボールを保持すると、そのまま前を向いてミドルシュートを放つ。この一瞬の出来事でクラブ・ドラゴンズはゴールネットの右隅を揺らしてみせた。瞬く間の同点劇。何とも恐ろしや。

IMG_2385.JPG
前半はこの均衡を保ったまま試合時間が経過し、1ー1で終えた。

明らかになった総合力の差

後半に入る際、両チームとも選手を変える。FC大阪はFW10四ヶ浦寛康に替えてFW23エリックを投入し、クラブ・ドラゴンズはMF19菊池禎晃に替えてDF24貫名航世を投入した。FC大阪の交代は血の気が強かったFW10四ヶ浦寛康を下げる目的だったように見えるが、クラブ・ドラゴンズは前がかりでバランスの悪かった左サイドを修正する交代に見えた。しかしどうもこの交代はバランスが良くなりすぎたらしく、前半の鋭いパス回しは牙を向かない。FC大阪が上手く対応したというのもあるのだろう。この結果、後半はFC大阪の攻撃機会が増える。

後半13分、FC大阪はFW23エリックがペナルティエリアでボールを前向きで保持したけどシュートまで持ち込めず。ここはクラブ・ドラゴンズがよく耐えた。
IMG_2394.JPG

後半25分、FC大阪はFW23エリックをポストに、右サイドへフリーで開いたMF17高橋周也へボールをわたすと、そのまま鋭いシュートを放つ。シュートは枠を外れたが、決定的な場面だった。FC大阪の追加点は時間の問題だ。

IMG_2395.JPG

FC大阪クラブ・ドラゴンズの攻撃を難なくしのぎつつ、 少ない機会で決定機を作り続ける。均衡状態が続いていたが、振り返ればFC大阪に得点が生まれるのは自然な流れだった。後半31分、FC大阪はボールを保持したFW11川西誠が右サイドをゴールライン際まで持ち込み、折り返しをMF14須ノ又諭が叩き込んで追加点とした。
IMG_2397.JPG

試合は攻めきれないクラブ・ドラゴンズ、淡々とカウンターを仕掛けるFC大阪という構図を守ったまま終了を迎えた。前半を見る限りではクラブ・ドラゴンズにもチャンスが有るように見えたが、後半に入ってその攻撃を完璧に封じられてしまった。「次の一手」を打とうとした時にFC大阪は駒が揃っていたが、クラブ・ドラゴンズは駒が不十分だった。チームの性質上、FC大阪は選手を選べるが、クラブ・ドラゴンズ流通経済大学を選んだ選手しか使えない。しかも3軍チームだ。FC大阪が良くてクラブ・ドラゴンズが悪かったということではなく、そのチームの性質が一面として結果に表れたと解釈できる。これもまた社会人リーグの醍醐味でもある。
IMG_2401.JPG

FC大阪のJFL昇格条件の2位以上確定

この試合をもってFC大阪の2位以上が確定し、JFL昇格の条件を満たした。FC大阪といえば実力のある選手をかき集める裕福なチームという印象が非常に強い。(実態は知らないのであくまで噂と印象。)常に結果が求められ、その風紀は平気で警告覚悟の遅延行為をするほどだ。アマチュアチームとしては行儀が良いその他大勢と少し色が違う。一方でなかなか大阪府リーグから関西に上がれず苦労したチームのひとつでもある。今回も関西リーグの制覇は逃し、全社からの敗者復活だった。リスクをとり、つねに結果を求めてきたチームがついに全国リーグへの切符を掴んだ。FC大阪のみなさん、おめでとうございます。JFLにどんな新しい風を吹き込んでくれるのか、とても楽しみです。
IMG_2402-2.JPG
速報くんレポート | FC大阪vsクラブ・ドラゴンズ

検索

Twitter

Facebook